オトコは黙って

ある新聞記事に目がとまり
そんな話ってあるのかよと
思わず涙がこぼれそうになったが

理性でぐっと堪える
(オトコは泣かない!)

夕飯を食べながら
テレビのくだらないコントに大笑いなのだが
娘はまだ帰ってこないなと
すっと寒いものが走り
不自然にも真顔に戻る

街で
ちょっと急いでいたのか
すれ違いざまにやくざなあんちゃんとぶつかってしまい
「すいませーん」と言ったのに罵声を浴びせられ
おいおいそれはないんじゃないかと
怒りがこみあげてきて
「おい、ちょっと待てよ!」
と言う間もなく
後が面倒くさそうだなと思い
我に帰る

これじゃなにもかも
愛じゃなくて、哀だな

気を静めようと
座を組み
今日の雑念が浮かんでは消え
そして消そうとすれば暴れ出す

心にまた
嵐が吹き荒れる

親父、
生きてゆくってのは
けっこう修羅だな、と
もうこの世にはいない住人に

今晩も

つい話しかけてしまう

「オトコは黙って」への4件のフィードバック

  1. またまたご無沙汰してますがお元気ですか?この詩はスパンキーさんとほぼ同世代の私の今の気分にしっくり来ました!笑
    愛ではなく哀、哀しいけどいいですねぇ。最後のところも一昨年亡くなった母に何かにつけ語りかけてる私に重なりました。その母に未だに夢でさえ会えない哀しい私ですが、スパンキーさんの詩を心の糧に頑張ります。

  2. ふーみんさん)
    お久しぶりです。
    コメント、ありがとうございます。
    この年になると、変わりますね。こういうのを社会性っていうんですかね?
    ご指摘のとおり、哀、ですね!
    天国行きが近いのかな?
    亡くなったお母様へ、合掌

  3. 読んでて、うちのお父さんも夜中一人で起きてる時とかに、そんな事思ってたりするのかなぁと、フと気になってしまいましたww
    今日は、父の日なのでいつもなかなかゆっくり話したりできない父に“ありがとう”って言ってみようかなぁと思いますww

  4. ゆかさん)
    父親っていうのは、少なからずこんなものを抱きながら、みんなやっているんじゃないかと思いますよ。
    ムカシより寡黙になったな?お父さんと感じたら、いろいろあるんだと思ってやってください。
    コメント、ありがとう!

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