夜光虫

弱き者よ飛び回れ

程なく消えるこの手この足

この気持ち

終わりは激しく心昂ぶるように

舞えよ歌えよ

夜の祭りは始まったばかりだ

暗闇から這い出てきた

老いも若きも

その羽を鳴らせ

遠くに明かりがみえたなら

それは命の喝采

祭りだ

祭りだ

おとこはおんなを

おんなはおとこを

羽をふるわせ

昂ぶるのだ

命の本能

命の義務

強き者も飛び回れ

程なく消えるこの手この足

この気持ち

終わりは激しく心昂ぶるように

舞えよ歌えよ

夜はおとことおんなの物語

夜は命の物語

それはそれは

むさっ苦しい蛾のように

飲めよ踊れよ

本能は

こうして私を

紡いだのだ

本能は

こうしてあなたを

紡いだのだ

「夜光虫」への2件のフィードバック

  1. 生命の歴史は、 「遺伝子 (DNA) のリレーだ」 という話を聞いたことがあります。個体というのは、地球に生まれた 「生命」 の歴史の中で、ほんの一瞬この世に存在するにすぎない。
    しかし、それは 「遺伝子のリレー」 という視点で考えれば、過去から未来へと永遠に続く、太い一本の 「線」 になるということなんでしょうね。
    セミも、蝶も、カマキリも、一瞬の夏を謳歌して、地中へ帰っていく季節になりました。遺伝子のバトンを次の命へ託して。
    スパンキーさんの詩が、ジンと胸に迫る季節がやってきましたね。
     

  2. 町田さん)
    最近、仕事でよくみなとみらいに夜までいることが多いんですが、その夜景がとても綺麗で、なんとも惹かれます。
    コンビニなんかも夜になるといろんな人間が集まってきますね?
    目的もなく溜まったりもしている。
    昔と言えば、電柱の電球に無数の虫が舞っていたのを覚えています。
    コレって、夜光っていうより夜行虫。
    みんな、誰もなにものも、意識下で正直に累々と、生命の維持に努めているように思います。
    無意識ですけれど、万物が明るい方へ行く、というのは遺伝子のなかのマジックでしょう。
    良い季節になりましたね!

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