残された時間の中で

そうだね

出会った頃を想い出して

ごらん

その風景に

つまんない隙間なんてあったかい

どんな季節も

僕たちは

精一杯だっただろう

いまは手探りで

その不確かな部屋の

ひとつひとつを確かめ

消えそうなものから

ありがとうと言って

そして

別離を告げよう

人の記憶の中は

いつも永遠で

そこには暮らしやすい国があり

毎日毎日

なんの苦もなく

みんなで

食卓を囲んでいる

それは

まるで楽園のように

昨日も明日もなく

まして

ことばなんていらなくて

だけど

時間は残酷だよ

記憶は曖昧で

楽園も消えて

残ったものは

目の前のテーブルの上の

チーズと飲みかけのコーヒー

でも

目の前に君がいて

君の真向かいに

僕がいて

そんな風景でいいかい

さあ

今日から

心の丈に

泣いてみよう

笑ってみようよ

残された時間は短いのよと

女神がささやく

そして

愛しなさい

強く愛しなさいと

女神がささやく

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