羊の群れを追いかけていくと

メェェェェッーと僕を歓迎してくれた

一匹の羊が何の用だい

と言うので

実は、と僕が話すと

そう君もなのと

羊たちが僕を取り巻き

あのやさしく眠くなるような毛を

擦り寄せてきて

つぶらな瞳で

大丈夫さ

大丈夫だよと…

そして羊たちは

相変わらず呑気に草を食んでいる

夕べも寝てしまった僕は

そんな訳で

忙しすぎる彼女に

今夜も

羊を届けることができないでいる

「羊」への2件のフィードバック

  1.   
    短いけれど、なんともとぼけたユーモアと、ほんの一滴のさびしさが滲んだ卓越したポエムですね。
    最後が決まっていますね。
    >> 「忙しすぎる彼女に、今夜も、羊を届けることができないでいる」 。
    主人公のとまどいと苦笑いが伝わってくる、ほのかなおかしみの漂うエンディングでした。
    うまい!
     
     

  2. 町田さん)
    お久しぶりです。
    お褒め頂いて光栄です。
    眠る、ということについて考えていましたら、
    突然こんな誌を思いつきました。
    短くて、以外と難しいですね。
    今度はもう少し、洗練させます。
    コメント、ありがとうございます。

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