約7年、私のアシとなって走り続けてくれたVWボーラが、
先日不調をきたし、泣く泣く手放すこととなった。
この手の欧州車に多いのは、
私の経験からして、ちょっこっと壊れ始めたら、
恐いことに、結果がかなりの重症なこと。
で、今回の不調というのは、
このクルマにとっては、やはり致命傷だった。
まずスピードメーターが突然動かなくなり、
うん?とは思っていたが、
次にワインディングを走ると、
ガス欠でもないのに、突然警告音が鳴るようになった。
スピードメーターの故障だったら、
そこのみ直せば良いことなのだが、
コンピュータ診断で、まずその疑いは晴れた。
ということは、
そこに繋がる大元のセンサーの異常が考えられる。
で、そのセンサーがどこにあるかというと、
エンジンルームの前部をすべてばらし、
ミッションまで辿り着かなくてはならないので、
そこでかなりの時間と費用が発生する。
が、万が一そこで辿り着いても、
センサーが壊れているのかどうかが、
不明なこともあるそうなのだ。
これがひとつ。
次に、カーブ時の警告音だが、
この警告音は、ガス欠を知らせるアラームで、
私の場合は、
ガソリンがかなり入っているにも係わらず鳴るので、
まず燃料ポンプを交換して試したが、
結果は芳しくない。
あとはガソリンタンクの交換になる訳だが、
このタンク代が、工賃抜きで9万円とのこと。
しかし、次に新たな疑いが浮上した。
スピードメーターの異常とガソリンタンクの警告音の鳴る症状が
同時期に起きたということは、
やはり、メーター機器そのものに異常が発生したのではないか、
という疑いである。
が、これはコンピュータ診断でもみつからないので、
人的判断だが、
さあ、どこから手をつけたら良いかが分からない。
が、その筋の専門家に言わせると、
メーター機器主犯説に賭けてみてはどうかと。
理由は、同時多発で起きた症状が、
どうしてもメーター機器に起因しているとのこと。
しかし、メーター機器そのものの交換は、
かなり面倒である。
他社のことはよく知らないが、
VWの場合、現在は、メーターの不正改ざんを防ぐため、
ドイツ本国ですべて統一管理されていて、
日本においても、メーターの交換は
VWの正規ディーラーのみで許されており、
他の業者が手を付けると不正行為とみなされるらしい。
ちなみにその際の費用が、30万円は下らないとのこと。
しかし、この修理でさえ、我が愛車が蘇ってくれる、
という保証はない。
こうなると、迷路である。
例えば、これらをつぶさに追求すると、
軽く100万円近くの金が吹っ飛ぶので、
私も徐々に後づさりを始めた。
さて、オトコにとって、
クルマの扱いは女性のそれに似ていると、
ムカシからよく言われる。
クルマの好みも、同様と言う。
私は派手でも地味でもない普通のクルマが好みだか、
やはり他とひと味違うものを、よく乗り継いできた。
ということは、そういう女性が好みなのか?
で、一端乗り始めると付き合いは長い。
うん…そういうことなのか?
同じ視点で考えると、
同性でも、しょっちゅうクルマを変える輩を、
私はあまり信用しない。
理由は判然としないが、
きっと深層心理だろう。
今回の愛車の件は、
ある意味、わかれ話に似ている。
こっちとしては、未練タラタラである。
これはフラれたと解釈すべきか、
はたまた相手の不幸と考えるべきか?
そこが、
クルマ=女性という都市伝説のようなものになぞらえると、
思案のしどころではあるのだが…