ベランダの戸を閉めると
ひだまりと静けさ
FMから懐かしいサーフィンU・S・A
ふと仲間のことを思い出す
今頃どうしているのだろうと
急に気にかかる
元気で働いているだろうか
結婚したのかな
お子さんは
もうこの海に裸で入ることもないが
あの頃の夏は
いつも仲間と泳いでいた
あどけないみんなの笑顔だけが思い浮かぶ
まだ海が透き通っていたあの頃
ソファに腰掛け小さな漁船を追いかける
二艘みつけたところで
光る海のまぶしさに目をつむる
ゆっくりと溶けてゆく時間
消えない思い出
取り戻せない時
静かなソファに
白いあの夏が
宿っている
自分も仲間も
埃ひとつなく
悩みも美しく
この海のように
そこにはただ夢だけが
輝いていた