符合

ヒトラーはユダヤ人を迫害し、

殺戮を繰り返した歴史に名を残す独裁者だが、

一方で彼は、芸術愛好家であり、

自身もアーティストの素養があった。

また彼はペットを可愛ることでも有名で、

動物愛護にも熱心だったという。

変といえば変、奇妙と言えば奇妙だが、

彼のなかには、誰にも分かり得ない、

彼なりの或る一定の法則があったのだろう。

これは、ヒトラーを理解しているとかそういう意味ではない。

単に心理を想像しているに過ぎないのだが。

ヒトラーと同年同日に生まれた、かの喜劇王チャップリンは、

映画を通して、世界に笑いと愛を振りまいてくれた。

喜劇と悲劇は、よく紙一重だという。

彼の作品のなかに「街の灯」があるが、

主人公(チャップリン)は盲目の女性に恋をする。

が、その女性は浮浪者のチャップリンが、大富豪だと思っていた、

という設定。

やがて、ひょんなことからお金をつくったチャップリンは、

目の治療費にと、女性にお金を渡す。

このお金で目が見えるようになった女性は、

やがて、街で貧しい主人公に会い、

哀れみからお金を恵んであげることになるが、

このとき、

女性が手の感触でチャップリンの存在に気がつき、とても驚ろく。

照れる主人公の幸せそうなおどけ様は秀逸で、

このラストシーンは深く脳裏に焼き付いた。

さて、

アメリカの初代大統領リンカーンは、奴隷解放を宣言して暗殺された。

それから、ちょうど100年後、ジョン・F・ケネディが生まれ、

彼もまた人種差別撤廃に熱心だったが、

リンカーンと同じく暗殺された。

リンカーンとケネディは、

それぞれの父親が駐英大使という同職に就いており、

同じく4人の子供に恵まれ、

お互いの秘書が、リンカーンはケネディ、

ケネディはリンカーンという名だったらしい。

で、それぞれの暗殺犯の生まれも、

ちょうど100年違いという念の入れよう。

ここまでくると、都市伝説なのかとも思えてくる。

以上、

奇妙な符合だが、同時にアメリカの病巣と闇のようなものは

いつも謎に包まれていて、それはいまもって

くすぶっているように思える。

続いての話。

大劇作家で詩人のオスカー・ワイルドは、

後に続く作家たちに多大な影響を及ぼし、

日本においても、

森鴎外や夏目漱石、芥川龍之介、谷崎潤一郎など

蒼々たる先人に影響を与えたとさえ言われている。

彼の作品は数少なく、いまではそれ程メジャーな印象も与えない。

が、彼は作品より、その破天荒な生き方と彼の性癖に

目がゆくこととなる。

彼はまぎれもない同性愛者でいろいろな殺傷沙汰を起こし、

生活は堕落し、服装もかなり奇抜だったとある。

そして最後は梅毒にかかり、孤独のなかで死んでいった。

彼の名言に、

   
     「外見で人を判断しないのは愚か者である」

というのがある。

少しだけ、僕もそう思います(?)

で、それからちょうど100年後の同月同日に、

何故か僕が生まれたのだ(笑)

僕はいま現在のところ、早寝早起きを心がけ

仕事に精進している(?)

現在まで、同性に性的な興味は一切なく、

奥さんも子供もいて、一応仲良く暮らしている。

がしかし、いまひとつ納得できるものとか、

すげぇと言える良いものが書けていない。

ここが悩みの種で、

そろそろ同性の魅力というものを研究し、

海パンでも履いて街へ繰り出し、

ちょっとヘンに

堕落してみようかなと考えている。

「符合」への2件のフィードバック

  1.  
    ※ コメント入れる記事を間違いちゃいました。上のコメントは削除してください。
    ……………………………………………………………………
    面白いエピソードがたくさん散りばめられた記事でした。
    楽しく拝読しました。
    どのお話も、読んで、みな納得です。
    ケネディとリンカーンの秘書の名前は、面白いですねぇ。ほんと都市伝説みたい。
    まさに 「符合」 ですね。
    オスカー・ワイルドが、同性愛者であるということから、創作上のインスピレーションを得ていたのというのは、それがビクトリア王朝時代の倫理観からものすごく逸脱していたからなんでしょうね。あの時代、表向きは 「紳士と淑女の時代」 でしたから、オスカー・ワイルドのような存在は、その紳士や淑女たちから、『猿の惑星』 の猿が人間を小馬鹿にしているように受け取られたのかもしれません。当時の上流階級の人たちからは、「なんて嫌なやつだ」 という視線で眺められていたのでしょう。
    だからこそ、そういう精神風土への反骨精神が、彼に 「審美的な物語」を書く力を与えたのでしょうね。カッコいい人ですよね。
    スパンキーさんは、十分 「すごいもの」 を書かれていらっしゃいます。
    いい感じです。
    別に、海パン履いて街に繰り出さなくても大丈夫。
    この調子で、ブログを続けられたら、ちょっとしたエッセイ集が生まれるかもしれませんね。
     

  2. 町田さん)
    チャップリンの映画に「殺人狂時代」があって、
    このなかで、彼はヒトラーをおちょくっていますが、
    いろいろチェックすると、ヒトラーもチャップリンをものすごく意識している。
    この両者は皮肉にもよく似たような性格のように思われます。
    だからお互いが気になる。面白いですよね?
    リンカーンとケネディは、まあ書いてしまいましたが
    ホントのところは曖昧な記述が多い。まさに、都市伝説
    なんです。が、真実だとしたら、これはもうグレートサムシングは
    いるということです。そうしたら、私も信心深くなるかも…
    自分の星というものをチェックするとですね、私は
    ある占いで、マツコ・デラックスと同じなんですよね(笑)
    オスカー・ワイルドもそうですが、どうも普通ではない。
    一応、符合点があるので、この方たちの特徴を取り入れつつ、
    今後どう私のなかで活かすかが、課題となりそうです?
    コメント、ありがとうございます。

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