目覚めの詩

読みかけの本

記憶は

目覚めるたびに消えて

静かな時計のカチカチ音 

さわるシーツの感触

うっすら見える白い壁紙

人の歩く気配

新しい朝に

やはり僕は生まれた

カーテンからこぼれる陽の光 

流れるような風の音 

水を含むと

その冷たさが喉を通る

間違いのない

僕の朝

流れるジャズ 

眠いネット検索

ひとりの思考 想像は駈け巡り

本を読みかけて 

夕べ消えた僕は

創世して映るこの世界の景色を

遠いところより考えていた

仮死 そして

生まれ変わり 

蘇り よみがえり 黄泉がえり

やはり予想どおり

常に一抹の不安のなか

この小さく些細な朝に

僕は感謝するのだ

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