ニッカポッカで考えた

回転寿司屋で、ニッカポッカに身を包んだグループが、

ひと皿100円のぺらぺら寿司を喰いながら

大声で騒いでいたのだが、

皆、その服に汚れひとつない清潔さが不自然で、

察するに、

どうもニッカポッカファッションが流行っているらしいのであった。

ニッカポッカといえば、とび職さんであるとか、ペンキ屋さんだとか、

そうした職業の方たちの制服のようなものだが、

まあ、あの奇抜さに目をつけた人間がいたのであろうね?

そういえば地下足袋を履いたガイジンさんを見かけたことがあって、

ちょっとカッコイイなぁと思ったことがある。

不思議…

ファッションって不思議(重ねて言うが…)だと思うのは、

例えば警察官だが、かつて私の同級生の警察官姿を見たときは、

なんというか、地元の元不良があーら不思議、

正義の味方にみえてしまったことである。

その元不良は、自分の偽善さに嫌気が差したのか、

しばらくして職を投げ出し、パチプロへと転身した。

それでいいのだ!

横浜の外れの小汚い街の一角のビルの2階に、

或る日、パブ・エアーラインというのがオープンして、

カウンターの中にズラリと揃ったスチュワーデス姿

(いまはこうした呼称ではない)の若い女の子が、

鼻の下を長ーくのばした男どもに酒を注ぐのであったが、

そこが連日押すな押すなと大繁盛となり、

恥ずかしながら私もそこの常連と成り果て、

3ヶ月ほど経った頃だろうか、

なんだかくだらないなと突然気がつき、

通うのをパタリとやめた事を思いだした。

さて、茅ヶ崎市役所は皆アロハシャツ姿だが、

これがなんというか、似合わないんであるからして、

アロハって結構着こなすのが難しいと知ったのは、

どっと時代を遡った学生の頃だった。

伊勢佐木町の裏手のショップで

めざすアロハをやっと手に入れたのだが、

鏡に映る己の姿が、なんか変。

それがサイズ感なのか柄からくるものなのか、

アレコレいろいろ検討するも、

その原因はどうも雰囲気というか、

空気感みたいなものだろうという結論に至り、

アロハをやつれさせて風合いを醸しだし、

くたくたかつ穴のあいたジーパンを用意し、

潮焼けした茶髪と日焼けした全身を用意するに至るも、

これが過剰演出ということでまわりから疎まれ、

遂にそのアロハを着るのを諦めたことがある。

こうなるともはや、

ファッションを語っているのか制服を論じているのか、

私もいまひとつよく分からないのだが、

制服も含め、まあまあ「らしいもの」を皆身につけるのは間違いない、

らしいということは分かった。

言い換えれば、その人の深層心理に則して、

おのずと好みのものを身に付けている、

または、これがおかしいのですが、

服に従ってそれらしくなってゆく、

とか、そういうことなんですね。

かようにファッションとは魑魅魍魎、

不可解、正体不明なものなのだが、

人生にいい加減疲れてくると、

そんなバカなことはどうでもいいとなってくるから、

またまた不思議なんである。

街中で、はて、いま自分は何を身に付けているのか?

と思うほどいい加減になると、

これはしめたもんである。

それが本来の自分らしさだったりするので、

堂々と己のダサさを誇示するのも良し、

斯くなる上は、いっそ裸になって、

一日中温泉に浸かっているのも、

一興。

これも、ニンゲンの初期型ファッションと言えなくもない。

それも自信ナシとあらば、しょうがないね、

流行りのライザップにでもお出かけください!!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.