インスタ映えってなんすか?

都内のプールへ女の子が自撮り棒をもって集まっているらしい。

我ながら、テレビで見てインスタで再確認という後手ぶり。

(確かに素敵な写真がズラッと、で、美しい方ばかりでした)

で思った。

海じゃないんだ。

きったなくてクソ暑くてじゃりじゃりになる砂浜じゃなく、

夜のホテルのプールでなきゃイケない訳ね。

「イマドキ海なんて古いですよー」

といういきさつで、演出ばっちり化粧映えのする

夜のホテルのプールなんである。

が、そこは男子もおじさんもおじいさんもおばさんもおばあさんも負けてない。

インスタだけでなくSNSを眺めていると分かることだが、

どの年齢層にも、これみよがしにカッコつけたがりがいる。

結構優雅ですとか、金持ってますよとか、

生活充実していますアピールとか、

必死なのがいるわいるわ。

これってなんなんだろうと考える訳。

が、とりあえずこうした現象を経済面から検討するに、

ポケGOもそうだったが、とにかく流行るとみんな即動くのは分かりました。

ここで経済的効果は、なかなか良いとなる。

人があれこれ動くだけでも、波及効果は生まれるから。

特にインスタグラムのようなSNSって、

形成される市場も結構大きいんである。

具体的にはカメラが売れる、スマホも撮影機能高めに移行、

で、みんなインスタ映えする場所に出かけるから、

交通機関の利用も当然発生する、

ファッションを気にする、あれこれ食す、演出する等々、

ちょっと考えただけでも経済効果抜群の流行りではある。

で、撮影に関する技術もスキルも切磋琢磨するから上達する。

ツイッターやフェイスブックはコメント力がモノを言うので、

ワンフレーズ作成テクニックの腕も上がる。

こうなるともうデザインも写真もテキスト作成も、

頑張れば誰でもできるんじゃねえの域まで達するので、

これはこれでベンキョーの賜物だから、

学びとしても、とてもいいんじゃないかと思える。

美的感覚やそうした意識も養えるから、

巡り巡って文化らしきものの発展に寄与するかも知れない。

が、ここでチョット気になるのは、

比較的控えめな私たち日本人という定説が、

大きく覆ったってこと。

SNSで目立ちたがり屋さんや自慢屋さんが結構多いこと、

判明しましたよね。

時代が変わったんすかね?

いや、そもそも潜在的にそういう人っていたのか?

そこがよく分からない。

直球で申しますが、

ホントに充実している生活を送っている人って、

わざわざSNSで自慢の写真とかをアップしたりしますかね?

これ、疑問。

流行とはいえ、そこはなんというか抑揚というものが働く。

自分とまわりの距離感とか間合いといったものもある訳で…

誤解して欲しくないのは、

ホントにいろいろチャレンジしている方、

趣味とか仕事なんかでいろいろ頑張っておられる方というのは、

SNSでも理解できるものであるし、応援もしたくなる。

こちらも勘というものが働くし、人って微妙な何かを感じ取るから、

その辺りって自然と分かるんですね。

「この人、結構無理してタイヘン、カワイソーだわー」

って感じてしまうのは、こちらもちょっと辛い。

こうしたものを流しているテレビというものも、

すでにネットやSNSの後追いであるし、

テレビ独自のコンテンツ力は迷走しているしね。

それはコマーシャルを見ていても感じることだし。

そんなテレビがいち早くSNSを取り上げて、

あえて時代性をアピールしているようにも映るのが、

衰退している王者であるテレビの悲しいところではある。

個人的には、

テレビが大好き、テレビがなんでも教えてくれた、

テレビで育ちました、

あのコマーシャルいまでも覚えています、

という人間なので、

4K、8Kという技術の進化だけでなく、

さすがテレビ映えするなぁというコンテンツを

ぜひつくっていただきたいのだが。

更にいえば、

テレビって良くも悪くも強者の論理で動いている訳で、

SNSがなければ相変わらずの一方通行のみの情報となってしまう。

いわば衰退しているとはいえ、

依然強力なテレビの対抗ツールとしてSNSのパワーは、

バランサーとしての役目も果たしている。

だからインスタ映えなんていうのは、

ほんの過渡期の一使用法であって欲しいというか、

これをきっかけにあらゆる可能性を伸ばすツールとして、

更に発展していただきたいのである。

(だって写真って饒舌ですから)

おっと、インスタで頑張っている皆さん、

出汁(だし)にしてゴメンナサイネ。

「インスタ映えってなんすか?」への2件のフィードバック

  1. >生活充実していますアピールとか、 必死なのがいるわいるわ。これってなんなんだろうと考える訳
    >が、とりあえずこうした現象を経済面から検討するに、・・ちょっと考えただけでも経済効果抜群の流行りではある。
    スパンキーさんは私も関心を持つ社会事象をよく採り上げられます。ただアプローチが、まず経済面から検討するところが違う。政治家の不倫バッシングも無菌商品を売らんかなの啓蒙活動が底にあるのではと(笑)。一方、私は社会心理の面からだけ説明しようとする。緩んできた規範を受け手自分も不倫したい感情の自己バッシングだと。経営者と暇な年金生活者の違いでしょう(笑)。
    インスタグラムは、自己の社会的承認をみな求めたがるのですが、簡単に承認を得る能力もない個人の救済策です。特にアメリカは、個人の「ねえ、見て、見て」の幼児欲求(それだけに根源的欲求)をフェイスブック、ブログというかたちで満たそうとした。「いいね」が点数化された報償として機能。しかし、上の二つのツールで自己表現するには文章力とかが少なくとも要るわけで、ミーチャン、ハーチャンは簡単には利用できない。したがって、編み出されたのが写真を貼り付けるだけで、リア充をアピールできるインスタグラム。教育程度に極端なバラツキのあるアメリカで生まれるべくして生まれたと、思うのです。日本は控えめが確かに美徳でしたが、とにかく目立ちたかったガングロを生み出したりする方向へ変わってきています。
    スパンキーさんの本旨は、テレビは「インスタ映えは何?」なんかを無批判に採り上げるのではなくて、あらゆる可能性を伸ばすメディアツールとして発展してほしい、ということですよね。それはおっしゃるとおりです。ま、まず映像でインスタグラムを視聴者に具体的に見せることに意義があったのではないでしょうか。かくいう私も、インスタは概念だけで実際に実物を見たことがないので(笑)。

  2. Soraさん)
    Soraさんも私も同じような事象に目をつける━これはとてもいい傾向ですね。
    まるで違う環境にいても、やはり同項目にチェックですね。私がまず経済的効果を云々するのは、
    これは多角的に分析したいという欲もありますが、実は私が心理面ばかりを書くと、
    ホントに物言いがキツくなってしまうからと自己分析しております。
    だってねぇ、自分を良くみせ、下駄を履かせたところで、むなしいだけ。
    己の幸福指数は上がらない訳ですよ。だから、こうした風潮が私は好きではないと。
    以上が私の言い分なのですが、どうも私がちょっと世の中とズレてきている気がしないでもない 笑
    「インスタグラムは、自己の社会的承認をみな求めたがるのですが、
    簡単に承認を得る能力もない個人の救済策です。」━これはSoraさんの鋭い分析ですね。
    確かに…とうなずくしかありませんね。
    で、私もインスタのアカウントはもってますので、ときどき巡回していますが、
    いや、上の意見をひっくり返すようですが、ホントに出来栄えのいい写真がゴロゴロしている。
    それはなかなか感心します。写真一枚の威力は、ベトナム戦争でもシリア難民のときも実証されています。
    やはり世界を動かすのはテキストより写真なのではないかと、内心思ったりしています。
    それはアートでも同様。インスタの発展形としての可能性はいくらでもあると思いますよ。
    そういえば、Soraさんの北海道旅の写真は、あれはもうアートです。
    インスタ映えしていますよ!
    コメント、ありがとうございます。

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