冬物語

色づいた葉が心を揺らす

風に剥がされるように落ちてゆく

残された葉は冬空の快晴とのコントラストを描く

僕はコートのポケットに手を入れ
そのはかない木立を眺めるのが好きだ

冬の恋物語が詰まったその情景は
「落葉の物語」を思い出し
「風」のメロディーが胸で踊る

グループ・サウンズもフォークも
みな冬のロマンスを奏でてくれた

冬にうまれた恋は純心で密やかに

想い出深くいつまでもいつまでも

やがて枝の不思議な曲線が
月夜に照らされ浮かぶ頃

僕の想いはさらに深く深く

それは影絵の木立が呼びかけるように
冬の景色は僕をヨーロッパへと
旅立たせた

アルプスおろしと呼ばれる
横から降りてくる雪片の向こうに映る
ベローナの街はとても寒いのだが
想い出のなかではあたたかい

月と木立
それは漆黒ではなく
ブルー・バックに浮き出た
静脈のように綺麗な曲線を描き
イエローの光に映えて美しく
僕の心を捕らえて離さない

こうして僕の冬物語は始まるのだが
あなたの胸に迫る冬物語を

そう
僕に聞かせて欲しいんだ

「冬物語」への6件のフィードバック

  1. いつの間にか2つもお話書いてたんですね!
    冬物語、いぃですね(*^_^*)
    何か読んでるだけでクリスマスのイルミネーションみたいにキラキラした文章ですごいキレイないぃ話だなぁって思いました☆
    冬にうまれた恋は純心で‥ってとこも、冬だから、雪の深さとか、寒いから二人で暖めあったりとか‥そんな感じなのかなぁ?とか一人で思い浮かべたりして、何だか読んでてワクワクしました☆

  2. ロマンスというのは、人間幾つになってもいいものです。
    スパンキーぐらいの年になると、夏はいけません。なんか考えただけで疲れるので、ロマンスなどというものとは程遠い。
    その点、この季節は落ち着いていて、オトナのロマンスについて考える絶好の機会です。
    こうゆうときは、好きな人と温野菜のスープですかね?(関係ネェーか)

  3. スパンキーさん、若いっ!ビックリです。
    このカップルは、一緒に何度目の冬物語を迎えるのでしょう??
    木々が月日を経て、何層もの丸太をつくっていくように
    この二人も、物語を続けていくのでしょうね☆
    >そう
     僕に聞かせて欲しいんだ
    彼の深くてあたたかい、まなざしがみえるようです。
    この一言に、やられました。(笑)

  4. わっ、若いですかね?
    ホント?
    それだけで調子に乗ってしまうスパンキーです!
    なんせ、最近は疲れることが多く、疲労蓄積気味。毎週末にはグッタリですからねー。
    で、冬物語。誰にでもひとつやふたつは覚えがあるのでは?今度はchiakiさんの物語を聞かせてほしいものです!
    コメント、有り難うございます。

  5. 「冬」という語感が人間に与える心理を描いて秀逸ですね。
    いつもながら、スパンキーさんの研ぎ澄まされた感性には脱帽です。
    夏に、大自然が発揮する旺盛な生命力は、人間の心にも狂おしい情念の高ぶりを与えますが、ロマンスという果実を手にするためには、収穫の秋を経て、冬になるまで待たなければならないのかもしれませんね。
    韓流ドラマの「冬のソナタ」が大ヒットしたのも、それが「冬」であったからなのでしょう。
    あのドラマ、結構カミさんと一緒に見ていたんです。で、けっこう良かった。
    他の韓流ドラマはあまり観る気がしないのですけれど…。
    「冬のソナタ」の主役は、結局「冬」だったんですね。
    主人公たちが首に巻くマフラー。雪景色。そして、葉を落とした淋しげな木立。
    「冬のソナタ」に妙に惹かれていた理由が、スパンキーさんの詩を読んで、今になって、よく分かりました。

  6. 町田さん)
    町田さんの鋭い分析で、逆に私がふむふむなるほど、と納得してしまいました。
    私は他のアプローチから入ったのですが
    、考えてみれば冬ソナの制作者だか原作者もそこを狙ったのでしょうかね?
    おっさんになると、イマ風に言えば夏はウザイので、私はこの季節の風情がとても気に入っています。
    先日、ちょっと時間が空いたので道志村に行ってきたのですが、コーヒーをすすりながらの木々の色づきは最高でした。
    コメント、ありがとうございます。

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