想い出

(喧嘩のあと)

ねぇ、こっち

私の目を見て話してよ!

いや、そうじゃなくて

いま僕は

将来を語っているんだぜ!

ふたりの未来

そういうときにどうして

あの

奇跡的に美しい雲を見ないで

話せるかって

いうことさ

君の目は

そう、イカしてるけど

いまはいいや

な、あの雲を見てみなよ

(彼女は顔を上げ

空に目をやると

西に浮かんでいる

陽に光る雲を捕らえる)

あっ、きれいね!

そうさ

僕はいまあの雲のことで

頭がいっぱいなんだ

だけどだよ

あの中に君がいてさ…

えっ! 
じゃあいいわ

続けて!

(手を繋いだ日暮れのシルエットは

長い影を落とした

やがて光る雲も消えて…

その日のふたりは

やがて

月明かりに照らされても

終わらない

語り尽くせない日だった)

遠い想い出

(ふと思いだしたあの人とのこと)

「想い出」への2件のフィードバック

  1. 美しい情景ですね! それが最後の福山雅治の歌に収斂していくときの構成も見事です。
    福山さんのこの歌はどこで探したのですか? 私ははじめて聞く曲ですが、いい曲ですね。動画の画面も美しい!
    詩と一体となって、ひとつの 「スパンキーワールド」 を構成していますね。
    詩からも歌からも、すでに無くなった 「恋」 なのに、そっと 「恋人よ」 と呼びかけるときの切なさが見事に伝わってきます。誰にも密かに心の奥底に秘めた思いなのかもしれませんね。
     

  2. 町田さん)
    福山さんの登場はちょっとベタですが、この歌は良いですよね? 彼のナンバーのなかではマイナーなのかなと思いますが、気に入っています。
    遠い過去は、なんとか自分のなかで綺麗に仕上げようと、記憶の上書きを繰り返しているようです。そしてそれが事実になる。
    こういう私は、詐欺師の資格充分ありと、自分で自分をあざ笑っております。
    しかし、つくり話ではないですよ!
    コメント、ありがとうございます。

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