検索からみる、コピーライターという職業

私はコピーライターなので、

たまにヤフーなどで「コピーライター」で調べてみる。

と、面白いことが分かる。

私の場合は、このキーワードで検索順位を上げようと努力していないので、

頑張っている人や企業に較べ、断然下の順位をウロウロしている。

で、検索の上位は、コピーライターの就職関係が飛び抜けて多い。

これらはだいたい大型サイトなので、SEOも強力です。

あとは、

コピーライターになるための講座や教室のサイトが上位にくる。

検索の上や横のリィスティング広告を眺めても、

ほぼこれらの企業が占めている。

さて、この状態が何を意味するかだが、

私が考えるに、仕事が欲しいからといって、

コピーライターが、

単体のキーワードで対策を施したところで、

無意味ということ。

何故なら、まず上位の大型サイトには勝てない。

そして、仮に上位に来たところで、

検索してきた人とは、マッチングしないということが考えられる。

要は、コピーライターというキーワードで調べる人は、

おおかた就職とか転職とかを考えている同業種の人が多い。

更に、これからコピーライターをめざし、

講座や教室を探している学生も多いと想像できます。

じゃあ、

コピーライターって仕事はどうやって成り立っているのか?

逆にいえば、どうすればネット上で営業するのかだが、

まず、念頭に置く必要があるのは、

素人さんがホームページなりパンフレットを制作したいとき、

まずコピーライターという単語は発想しないだろう、ということ。

卑下する訳ではないが、コピーライターという職業は、

現在、それほど一般化していません。

例えば、仮にですね、あなたが家を建てるとします。

このとき、ハウスメーカーや工務店、注文住宅 地域名などで、

かなりチェックするとは思いますが、

屋根職人とか壁工事とかでは探さないでしょう?

きっとコピーライターという職業も、

屋根職人や壁の工事をする人と同じような位置でみられている…

私はそのように思うのです。

パンフレット作成とかホームページ制作とか、

もう少し具体的に入れますね。

では? 

そうです。

コピーライターで仕事の匂いのする検索者は、実は同業者なのです。

それが、広告会社であったりコピーライターのいないプロダクションであったり、

それはともかく、いわゆるBtoBが圧倒的に多い。

要は、外注を探しているのですね。

めざすターゲットは、業界内ということがいえるのです。

前述のように、BtoCは、圧倒的に少ないと思われます。

では、BtoB向けにどのようなキーワード選定が最適かというと、

そこが難しいところというか考えどころでありまして、

複合、補足でいろいろ試して調査します。

ここまで話をすすめれば、後はだいたい想像できるとは思うのですが、

私たちの仕事は、一時より一般化していない、

また、広告を担う総力の一端を担当する職種。

そのように思われているようです。

しかし、現場ではかなりの負担と責任を任されている訳で、

その守備範囲は広い。

或る意味、報われない仕事といっても過言ではありません。

先方との折衝、コンセプトの構築、全体のデザインイメージ、

そしてコトバに求められる求心力…

私たちの仕事が、今後どのようにしたら理解されるのか?

どうしたら報われるのか?

それは、

とびっきりのキーワードを探し出すのと同じように、

難問かも知れませんが…

※この記事は弊社ビジネスブログを転載したものです。

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夜の饒舌

常識や思い込み そして哲学が崩れ落ち

神さえ疑わしい日から

幾年 幾月 が過ぎ

やっと

ああそうだ 月って綺麗だなと

窓辺にベッドを移し

文庫本のひとつを手に 和室の灯りを消し

すだれ越しに夜空を見上げれば

平安の時代から変わらないであろう

月あかりは穏やかで

雲が流れる様が

ロマンチックなスクリーンのように

饒舌に

思わず本を置いて

見入っていると

どこからともなく

静かに 静かに

草の音 虫の音と

なんと

平和の音 平安の音

幾重に幾重に

それは夜の指揮者が不在でも

月夜の晩に必ずひらかれる

夜会

こんな世の中だけど

なんだか分からない程に

疲れているけれど

このひととき

この瞬間

平静の瞬きに出会えて 

すべてのなにかが整ったのだろう

それを知り得て 

やっと受けとめることができた

いまは

生きていることのみで

ありがとう ありがとうと

なにに

誰にと

やはり…

神に祈ろうか

相変わらずの、クラウン。

このところ、トヨタのCMを観ていて、

なんか腑に落ちない。

他の人はどうか知らないが、私的にかんに障るというか、

観ていて不愉快になる。

それは、ピンクのクラウンがデビューしたあたりから。

ドラえもん編がスタートだったと思うが、

その頃はまだ良かった。

しかし、たけしが秀吉、キムタクが信長役のCMが始まった頃から、

違和感が出る。

確か千利休役の鶴瓶も出ていたから、

話もでかいが、ギャラだけでも凄いだろう。

さすが、トヨタだ。

スケールが違う。

このシリーズのバージョンは多彩だが、

ひょっこりひょうたん島編では、

3人の偉人?が東北・岩手の海沿いを眺めて、エラソーに話す。

で、キムタクがひょっこりひょうたん島のテーマソングを歌うのだが、

そのヒューマンな歌詞に、この3人が浮いている感じ。

そもそも、生臭い歴史を生き抜いた3人の役柄から、

それは醸し出されるのかも知れない。

こうしてクラウンのCMは、

いろいろなモチーフを使って天下人がロマンを語ってゆくのだが、

CMが新しくなる程に、相変わらずというか、更に偉そうなのだ。

で、今度は松嶋菜々子だ。

彼女が例のピンクのクラウンを運転していると、

後ろから黒塗りのクラウンが追いつき並走する。

秀吉の亡霊のように、

黒いクラウンを運転しているたけしがつぶやく。

「人間は体力が衰えると他の力が欲しくなるんだよ」

「だから男って偉くなりたがるんだ」(松島菜々子)

「でも気がついた。衰えない力もあるって」(たけし)

「まさか愛なんて言わないでしょうね?

いつからそんなハイブリッドな人になっちゃったの。

クラウンみたい」(松島)

「スイマセン」(たけし)

まず、秀吉にもの申す松島は、一体誰なのか?

そこは、実は私はどうでもいいのだが、

きっとたけしにもの言う訳だから、

単純に松島菜々子あたりの大物女優?を充てたのだろう。

で、思い起こすに、

このクラウンのキャンペーンコピーは、

「権力より愛だね」だった。

しかし、私に言わせればこのCMの根底に流れているのは、

欲深い奴のいやらしさだ。

クラウンからは、やはり権力の臭いは消えない。

だって、いまさら愛かよ…

クラウンが生まれ変わったということだが、

実は、それがもはや困難なことを、このCMは教えてくれる。

だから、妙な違和感が残るのだ。

ここで言う、ハイブリッドな人というのは、

実は「権力も愛も、何もかも手に入れたい」という、

そんな人のことを指しているようにも聞こえる。

だから、秀吉なのだ。

なるほど、クラウンなのかと合点がゆく。

繰り返すが、今度のクラウンのコンセプトコピーは、

権力より愛だね

の筈。

しかし、何故このCMがかんに障るのかが、

私はだいぶ後になって分かったのだ。

それは、

クラウンに乗る人が、

実は「権力も愛もすべて欲しい」人と、

本音ではささやいている。

そのようにしか受け取れないのだ。

同類の仕事をしているので、

広告類は割と好意的に観ているつもりだし、

その苦労も分からないでもない。

だからこそ、クラウンのポジションが如何に難しいか、

そこがひしひしと伝わるし、このCMの狙いは良くとも、

戦術でコケているように思える。

だから、相変わらずのクラウン。

実は、なにも変わっちゃいないのではないか、と。

風が見えるか

荒涼とした世界に、カメラを構える男。

緑の豊かな大地ではなく、そこは殺伐とした大地。

風が荒れている。

景色に色がない。

水辺にも、生き物の気配がない。

が、カメラを構える男。

なにをめざして、ここを訪れたのか。

突然ファインダーに、見知らぬ人が映る。

風「ここで何をしている?」

妻夫木「あなたは誰ですか」

風「私は風だ」

遂に風が見えた。

妻夫木「風… 僕はあなたを撮るためにここに来ました」

風「君に私が見えるのか」

山、川、雲。枯れた草地。

あらゆるものにファイダーを向ける。

妻夫木「あなたが見えた気がしました。何千年にも渡る

    あなたと大地の物語が…」

「連作交響詩 「わが祖国」 第2曲 ヴルタヴァ(モルダウ)」が

いちいちさみしくもあり、重厚かつ思索的。

スコットランドの自然は、人を哲学に導くのか。

一眼、ではなく、まさにイチガンが切り拓く新世界なのかも知れない。

10代のとき、カメラマンをめざしたことがある。

以来、ニコン派。

いまさら、キャノンが気になりだした。

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相変わらずの、クラウン。

このところ、トヨタのCMを観ていて、

なんか腑に落ちない。

他の人はどうか知らないが、私的にかんに障るというか、

観ていて不愉快になる。

それは、ピンクのクラウンがデビューしたあたりから。

ドラえもん編がスタートだったと思うが、

その頃はまだ良かった。

しかし、たけしが秀吉、キムタクが信長役のCMが始まった頃から、

違和感が出る。

確か千利休役の鶴瓶も出ていたから、

話もでかいが、ギャラだけでも凄いだろう。

さすが、トヨタだ。

スケールが違う。

このシリーズのバージョンは多彩だが、

ひょっこりひょうたん島編では、

3人の偉人?が東北・岩手の海沿いを眺めて、エラソーに話す。

で、キムタクがひょっこりひょうたん島のテーマソングを歌うのだが、

そのヒューマンな歌詞に、この3人が浮いている感じ。

そもそも、生臭い歴史を生き抜いた3人の役柄から、

それは醸し出されるのかも知れない。

こうしてクラウンのCMは、

いろいろなモチーフを使って天下人がロマンを語ってゆくのだが、

CMが新しくなる程に、相変わらずというか、更に偉そうなのだ。

で、今度は松嶋菜々子だ。

彼女が例のピンクのクラウンを運転していると、

後ろから黒塗りのクラウンが追いつき並走する。

秀吉の亡霊のように、

黒いクラウンを運転しているたけしがつぶやく。

「人間は体力が衰えると他の力が欲しくなるんだよ」

「だから男って偉くなりたがるんだ」(松島菜々子)

「でも気がついた。衰えない力もあるって」(たけし)

「まさか愛なんて言わないでしょうね?

いつからそんなハイブリッドな人になっちゃったの。

クラウンみたい」(松島)

「スイマセン」(たけし)

まず、秀吉にもの申す松島は、一体誰なのか?

そこは、実は私はどうでもいいのだが、

きっとたけしにもの言う訳だから、

単純に松島菜々子あたりの大物女優?を充てたのだろう。

で、思い起こすに、

このクラウンのキャンペーンコピーは、

「権力より愛だね」だった。

しかし、私に言わせればこのCMの根底に流れているのは、

欲深い奴のいやらしさだ。

クラウンからは、やはり権力の臭いは消えない。

だって、いまさら愛かよ…

クラウンが生まれ変わったということだが、

実は、それがもはや困難なことを、このCMは教えてくれる。

だから、妙な違和感が残るのだ。

ここで言う、ハイブリッドな人というのは、

実は「権力も愛も、何もかも手に入れたい」という、

そんな人のことを指しているようにも聞こえる。

だから、秀吉なのだ。

なるほど、クラウンなのかと合点がゆく。

繰り返すが、今度のクラウンのコンセプトコピーは、

権力より愛だね

の筈。

しかし、何故このCMがかんに障るのかが、

私はだいぶ後になって分かったのだ。

それは、

クラウンに乗る人が、

実は「権力も愛もすべて欲しい」人と、

本音ではささやいている。

そのようにしか受け取れないのだ。

同類の仕事をしているので、

広告類は割と好意的に観ているつもりだし、

その苦労も分からないでもない。

だからこそ、クラウンのポジションが如何に難しいか、

そこがひしひしと伝わるし、このCMの狙いは良くとも、

戦術でコケているように思える。

だから、相変わらずのクラウン。

実は、なにも変わっちゃいないのではないか、と。

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繁盛するサイトをざっくり考える

●看板は重要

反応率の高いサイト、よく売れるECサイトというのは、

トップページにおいて、まず見やすい、一目で内容が分かることが

なにより優先順位の第一となります。

なにをやっている会社なのか、ひと言でいうとどういうお店なのかを

ズバッと語っている、またはデザインで見せている。

これに尽きます。

特に、看板は大事。

●写真にひと工夫を

ここでは、キャッチフレーズとビジュアルのコンビネーションは欠かせません。

当たり前だけどね。

で、写真などは、皆さんあまり難しく考えずに載せることもあると思います。

が、訪問者はその写真を、実に真剣にチェックしています。

新鮮さをアピールしたければ、そのように。おいしさを見せたければ、そのように。

また、人柄を伝えたければ、そのように撮らなければならない。

ここはひとつお金とアタマを使いましょう。

シズルという言葉がありますが、これは写真を撮る際、

如何に臨場感を出すかが勝負となります。

●直帰率を下げる

デザインに関しては、センスは良いに超したことはありません。

業種によっては素人っぽいサイトに人が集まる、というデータもあるようですが、

センスが問われる業種は、やはりデザインに力をいれなければ、

お客さんは帰ってしまいます。

あと、見やすさ。これは当然ですね?

トップページで直帰率を下げることは、

これは至上命令のようなもので、

サイト内で引き続き滞在してもらうことは

コンバージョン(成約)への第一歩といえます。

次を見てもらう、また興味がもてるサイトというのは、

以上のようなエレメントが欠かせません。

●特長を具体的に伝える

例えば歯医者の場合…

どんな先生がどんな技術とサービスであなたに治療をしてくれるのか?

そこをズバッと語りたいものです。

無痛治療をしてくれる、とか、噛み合わせについてのオーソリティーであるとか…

そのような特長付けは、訪問者の興味を喚起します。

上述のどんな先生が、というのは、やはり顔写真は載せたほうが良い結果が得られる。

これは、実証済みなので、後は実行あるのみです。

だいたい、歯医者なんて星の数ほどあるので、選ぶ方も大変です。

口コミサイトもアテにならない。

とすれば、ここはしっかり語る必要がある。

で、細かいことを言えば、

院内は清潔第一であるとか、駐車場が広いとか、駅近であるとか、

そうしたメリットを、ひとつひとつ、しっかり語ること。

歯医者さんの場合は、実際に通うので、マップもしっかり載せたい。

この場合は、絵地図などの個性的かつ面倒なものは省いて、グーグルマップ。

これで良いのです。

●サイトコストと売り上げは比例する?

こうした積み重ねが繁盛サイトを生むのですが、本気で制作するとなると、

実はかなり面倒くさいもの。

時間もコストもかかります。

いま、こうした手間をかけない、いわゆる安いサイトが幅を利かせています。

これはハッキリ言って間違い。

●検索順位を上げる

繁盛するサイトというのは、当然ながら、或るキーワードに於いて、

上位に位置しているものなのです。

検索順位でも優位に立っている。

でないと、まずお客さんは訪れません。

例えば、おいしい産直の魚が食べたい。

そんな思いで 産地直送 マグロ というキーワードで

検索する。

と、誰でも検索の1ページから見ますね?

で、慎重な方とか丁寧にみる方でも、だいたい3ページまでが限界でしょう。

だって、疲れますからね。

で、ここで大事なことは、やはりキーワードの選定と、

それに伴う検索順位を上げる技術が必要になる、ということ。

●内容の薄いサイトは検索順位も下がる

ここを説明するのはかなり大変なので、ざっくり話すと、

まず、ぺらぺらなサイトなどはつくらないこと。

いまどき、薄っぺらなサイトは、内容も希薄。

いくらテキストを詰め込んだところで、検索エンジンには見向きもされません。

制作コストを下げると、売り上げも落ちる。

事実、こうした話はよく聞く話ではあります。

語ること、伝えたいことをしっかりメモし、

それを各カテゴリー毎に分けて、サイトの設計を考える。

この作業は言い換えれば、

訪問者にとっても親切なサイトをつくることと同じ結果となるので、

よくできたサイトというのは、検索順位も自然と上がることとなります。

●検索エンジンの特徴

現在、検索エンジンというのは、そのサイトへ訪れる人の滞在時間などもチェックし、

そうしたデータをも蓄積しています。

それを元に、検索順位などに結果が反映されるので、

やはり良いサイト、役に立つサイトづくりは、必須といえましょう。

以上のように、ざっくり話しても面倒な話になるのですが、

これが現在の繁盛サイトのアウトラインです。

※このエントリーは、弊社ビジネスブログを改編したものです。

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駆け抜ける詩人

悲しいときは

さめざめと泣ければ

それでいいんだよ

虚しい心を

そっと代弁してくれるような

そんな歌

人生のハレの日には

歓びを胸をいっぱいに

満たしてくれる

そして

やさしく包んでくれれば…

詩人はいつも

7番線のホームに立ち

ビルの谷間を歩き

地下鉄東西線に乗って

野山を吹く風のように

海を渡り

砂漠を横断し

ヒマラヤで眠る

そして空に昇り

天を垣間見る

ときに詩人は

天の川に身を浸して

ほうぼうを思索し

あなたの夢に

すっと入り込むんだ

しあわせの朝が

あなたにも

訪れますようにとね

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ミスター・アーサー

ちょっと聞いてくれないかな、

もしも、僕が大富豪の御曹司だったら、

親に言われるままの政略結婚を拒否できるかって

話なんだけどね。

資産30億。

この膨大な資産の受け取りを拒否してまで、

恋に落ちるに値する女性に出会ったら?

実はそんな女性がいるんだ。

生涯二度と出会うことのできない、

女神のような慈悲と美貌を兼ね備えていて、

なんと僕を愛していると言うんだぜ。

もちろん、僕はそれ以上に彼女に惚れているけどね…

さあ、これから僕は、

運命の天秤に乗って、人生の賭けをする。

あっ、僕の名はアーサー。

そう、ミスター・アーサー。

どうしようもない男さ。

毎日いろんな奴と楽しくやって、

不自由なことなんて、なにひとつない。

そんな僕が悩みを抱えるなんて、

考えもしなかったよ。

人生っていうものを、

深く考えたことがないんだ。

そんな訳で、

僕は初めて不思議な息苦しさを感じている。

これまで自由奔放にやってこれたのも、

これから適当に楽しむためにも、

親の言い付けは守らなきゃ…

いや、そうじゃない、

だから、僕は彼女に言ったんだ。

「僕はこの街が好きなんだよ、

君が望むニュージャージーへ移る、

なんてそれはできない相談だ。

僕はこの街でしか生きてゆけない。

なあ、わかるかい。

俺は、アーサー。

ミスター・アーサーなんだ。

そう言って、僕は人生の賭けをする。

馬鹿だろう。

下らない男さ…

だって、

この話はifじゃない。

もしもの話でもなく、

本当のことだからさ…

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イマニクラスト

イマニクラスト、と書くと、何だろうと思う。

スタイリストのような職業名だろうか?

いや、

フェミニストとかロマンチストとかと似ている。

ちょっとカッコイイ。

○○ストは、文化の薫りがする。

が、エクソシストもいるではないか。

あれは怖い。

でですね、イマニクラストとは、

実は、居間に暮らすと、である。

下らないでしょ?

私は5年くらい、

ずっとイマニクラストを経験したことがある。

ふーん、なんで?

と思うだろうが、居間が便利だったから…

それだけだった。

そもそもイマニクラストになった原因は、

ひょんなことだった。

夜が更け、夕食後にウトウト寝てしまう。

で、家人に起こされても、起きない。

当初は私も2階のベッドで寝ようと思い、

必死で頑張ったが、気がつくと朝になっている。

こんなことが続くと、

本来のものぐさな性格がしゃしゃり出てしまい、

まあいいかと思ったら気が楽になり、

そのまま居間に居着いてしまった、という訳だ。

イマニクラストになるのは、簡単だ。

居間には、一年中付けっぱなしのエアコンがあった。

夏は快適。冬は暖かい。

台所に近いので、つまみ食いができる。

飲み放題。

パソコンもテレビもある。

音楽も自由に聴ける。

で、イマニクラストである。

だから、居間で暮らした5年間は、

布団とかベッドに寝たことがない。

いつも電気カーペットの上でゴロゴロしていた。

「身体壊すわよ」と、しょっちゅう奥さんに叱られていたが、

私は頑なにこのライフスタイルを固持した。

わりと頑固。

で、思い出すに

その頃はいつも起きていたし、いつも寝ていた。

そんな曖昧な感覚。

夜中に家人が起きてくると、寝ていた私も「よう」と起きる。

朝、家族がみんなで飯を食っていても、横で寝ている。

簡単に言うと、すげぇ迷惑な奴だったのである。

たとえば、喧嘩しても仲直りなんかしていなくても、

絶対に顔を合わすハメとなる。

だって私はいつも居間にいる、イマニクラストだったから。

普通の生活に戻ったきっかけは、震災だった。

いろいろなことを考え、自分の人生とかも考え、

エコを考え、健康も考えて、

イマニクラストをやめた。

イマニクラストは生活にメリハリがない。

ファジィだ。

常に仕事、常に休憩、常に寝ているのだが、

なんというか、

一日、一日という刻みが曖昧な上に、

時間の連続性に、いい加減うんざりするのだ。

翻って、ケジメのある生活というものは、

寝る前に、一日が無事に過ごせたことに感謝して就寝する。

朝、今日もベッドで爽やかに目覚められたことに感謝する。

となる。

ケジメのある生活は、再起動ができる。

ここんとこ、大事。

だから辛いことがあっても、一晩寝れば、

なんとか再び立ち上がれる。

心機一転という心境の変化も期待できる。

メリハリの利いた生活というのは、

要は、生きているありがたみが実感できるのだ。

私はイマニクラストを経験して、

やっとそのことに気がついた。

面倒臭い、便利だ、だけの物差しで、

人生のすべてを計っていると、

そこに大きな落とし穴が口を開いている。

イマニクラストが私に教えてくれたことだ。

風呂場の怪

風呂でシャンプーでもしようものなら、

まず数ある容器からシャンプーを探さねばならない。

そんなにあるのか? と聞かれそうなので、

そうです、いっぱいあります。

実際、私はよく分からない。

なぜ、風呂場にこんな沢山のケミカル製品があるのかが。

で、よくよく観察していると、

その容器は微妙に増えたり消えたりする。

あっ、あの花柄がない、おやっ、バラの新製品だ。

何かがなくなり、何かが増えたのだ。

こんなことはよくあるが、私には詳細は分からない。

日本語の製品はほぼないので、

正確にはなにが置いてあるのかも分からない。

石鹸、シャンプー、リンス。

まあその辺りは私でも知っているが、

コンディショナーとかフェィスマスクとか、メイク落としとか、

他にもいろいろあるらしいのである。

これは、奥さんと娘の仕業なので、

私はどうこう言わないが、

他に半身浴用という妙な椅子もあって、

コイツは飛騨産のひのきとみかげ石でできている。

重い。で、遠赤外線効果があるものらしい。

ふーん。

で、入浴剤も洒落たのになると英文で書かれていて、

あるとき適当にぶんまいたら、もの凄い泡が出て、

慌てたことがある。

ということで、風呂に入るときは、

あらかじめ自分がなにでカラダを洗い、

どれがシャンプーであるか、

それをしっかり確認してから入らないと、

なにもできなくなってしまう。

一度、娘の使っているシャンプーで顔を洗ってしまったことがある。

良い香り、がぬめぬめしている。そんな感じ。

またあるとき、ヘアコンディショナーというもので、

カラダを洗ったことがある。

まあ、それなりに清潔になったような気がする。

私は老眼なので、容器に書いてある字が、

ほぼ読めない。

読む気もない…

って、くやしい!

ウチの風呂は、いわば外国だ。

治外法権だ!

私の権力が及ばないところでもある。

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