かあさんがつまらない愚痴ばかり
とうさんに言うものだから
俺が小さいときから
とうさんの話を聞いているうちに
俺は俗物となって
そこから抜け出すこともなく
今日も女房に下らない事を聞かされ
俺はあまり難しく考えないで
息子に同じ小言を言ったものだから
ははぁ
こいつも俗物になって結婚でもするのだろうな
娘も同じく結婚でもして旦那に愚ちるのだろうな
と
いま気がついた
見渡せば俗物ばかりの世の中なので
女は子供を産み
男は外へ出て
なんだか分からないうちに
ぐったりとして
これはおかしいと気がついた者が
立ち上がり
やがて社会というものを
少しづつ変えていくのかな?
と
何もない脳みそを動かしたところで
俺は相変わらず
今日もしこたま飲んでいる
俗物と知ったところで
何をしたらよいかさっぱり分からず
昨日は知り合いの和尚を尋ねたのだが
何をどう聞いたらよいのか
やはり分からず
近所の話や寺の本堂前の木の枝っぷりの良さを
話しているうちに日も暮れ
俺は飲み過ぎたお茶で腹をゆさゆささせながら
帰ってその話を女房に話すも
だからどうしたという顔で
夕飯の支度に忙しい
世の中なにも変わらないな
つくづく俗物の俺に気がついた俺は
明日選挙に行くのだが
はて?
何をどう考えて
一体誰を選んだらよいのか
皆目見当がつかない
知っている候補者の名前でも書いておくか?
いや、どうしたものだろうと
つくづく考える