ヒッピー、そして旅人のこと。

旅するように生きる人。

または常に旅をしている人を、

ライフトラベラーと定義したい。

古くは芭蕉や山頭火だろうか。

月ぞしるべこなたへ入せ旅の宿(芭蕉)

けふもいちにち風を歩いてきた(山頭火)

詩人・ランボーも、商売に精を出したり、

旅芸人一座と寝食を共にしたという。

60年代後半、

アメリカではベトナム戦争の痛手から、

ヒッピーが生まれた。

ヒッピーの信条は自然と愛と平和。

そしてマリファナやLSDを肯定する。

トリップである。

世間に背を向け、

キリスト教的な教えを拒否し、

東洋思想へと傾倒する彼らを大きく捉えると、

ヒッピーの信条もまた非日常であり、

現実逃避という「旅」と言えなくもない。

ライフトラベラーだ。

ちょうど、ビートルズがインド巡礼へと旅立った頃だった。

東洋思想が捉える世界観は、宇宙まで辿り着く。

少なくとも西洋にはない宗教観に、彼らは傾倒した。

ヒッピーはまた、

フラワーチルドレンとも呼ばれた。

その先鞭は、

スコットマッケンジーが歌った「花のサンフランシスコ」。

サンフランシスコは、まさにヒッピー発祥の地であった。 

世界を平和の象徴である花で埋め尽くそう…

そして、武器ではなく、花を!

レコードジャケットの花柄のシャツを着た彼の姿は、

いまでも印象に残る。

同時期、

銃口に花の添えられた写真が世界を駆け巡った。

アメリカの若者たちが「平和」を模索し始めたのである。

この写真は、違和感そのものであり、

それが逆に不思議な引力をもっていたのを、

いまでも覚えている。

ヒッピー文化はまた、

サイケデリックをも生み出した。

サイケデリックファッション。

サイケデリックミュージック。

これらのムーブメントは世界に波及し、

日本にも多大な影響を与える。

横尾忠則、ナナオサカキ、寺山修司や植草甚一など、

蒼々たる人たちがその洗礼を浴び、

後に続く新たな系譜となる。

また、岡林信康や忌野清志郎、加藤和彦も、

少なからずヒッピーの影響を受けたアーティストたちだ。

日本ではフーテンという呼称があるが、

これもヒッピーの系譜。

日本中を歩いたフーテンの寅さんも、

こんなところから生まれたのだと思うが、

これは不確かな推測だ。

しかし、日本でもこの頃から、

新たな旅の模索は始まった。

さて、

常に旅をしている人はその実感もひとしおだろうが、

旅するように生きるとは、となると、

その定義も難しい。

ひと頃、

JRの「ディスカバージャパン」キャンペーンがヒットした。

山口百恵の「いい日、旅立ち」の歌が流れ、

日本の何処か…の美しい映像が映し出されると、

あぁ、旅はいいなぁと思えた。

また、イギリスBBCなどが制作するドキュメント映像も、

リビングに居ながらにして、私たちを冒険へと誘う。

映画、音楽、物語…

これらも、

動かずして旅立つことができる重要なアイテムだ。

旅は突き詰めると、非日常である。

そこに想像する力、感動する心があれば、

人はいつでも旅立てる。

旅するように生きるとは、

例えばこうしたことなのかも知れない。

話は飛躍するが、

私たちの人生そのものが旅の一環である、

との考え方も存在する。

これは仏教に由来する考え方だが、

人が生きてゆくとは、

あの世から来た旅人がこの世を旅することであり、

更に大きく言えば、

この世の生き様は、

ただの通りすがりの姿なのである。

生きて、死して、

そしてまた次のステージを旅する…

それが次元の異なる旅するのか、

宇宙の果ての向こうにそんな世界があるのか、

それは誰も知る由もないが、

思えば、これも旅と言えなくもない。

だから私たちは、同時代を生きる旅人なのだ。

人が旅に憧れるのは、

やはり、私たちのどこかに、

潜在的に組み込まれたプログラムがあるから…

なのではないだろうか?

60年代にミュージカル「ヘア-」が大ヒットしたが、

このミュージカルもヒッピー文化の申し子だ。

ヘアーとは、要するに長い髪のことであり、

それが愛と自由と反戦の象徴の意味合いをもつ。

ここで、フィフス・ディメンションが歌う

「輝く星座」と「Let The Sunshine In」は、

壮大なスケールと共に、

とにかく歌詞が意味深である。

月が7宮に入り 

木星が火星が一直線に並んだ

いま この安息が宇宙に広がるとき

愛の力が宇宙を動かす

さあ水瓶座の時代が始まる

夜明けのときがきた

水瓶座…

水瓶座…

ああ水瓶座よ

調和そして理解すること

共感そして信頼

ウソや人を騙すものは

もう終息に向かうだろう

夢に溢れた輝かしい未来

神秘的に満ちたお告げと黙示

真に解放されるとき

水瓶座の時代がきた

水瓶座…

おお水瓶座よ

うむ、

私たちは皆ライフトラベラーである。

元来、人は誰も自由な旅人であり、

この世を通り過ぎるのも、また旅、

なのではあるまいか。

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横浜のクラシックホテル

いまでこそ蒼々たるホテルが建ち並ぶ横浜だが、

これもつい最近のことのように感じる。

私の「最近」という感覚は10年単位だから、

正確さには欠けるが、そこは勘弁。

新進の大型ホテルは、だいたいがみなとみらい地区か、

新横浜駅周辺に集まっている。

特にみなとみらい地区は、ランドマークタワーにある

ロイヤルパークホテルをはじめ、

インターコンチネンタルホテル、横浜ベイホテルなど、

かなり林立している。

このあたりに幾度か宿泊したことがあるが、

こちらの感覚からすると、横浜というより、

なんというか、

東京のお台場地区となんら変わらない。

加えてゴージャスな夜景を眺めていると、

無国籍な場所に佇んでいるようで、

どうも気持ちが落ち着かない。

ゆっくりしたいな、と心底思うときは、

やはり山下公園近くのホテルをとる。

規模は大きくないが、少し廃れがちに、

がしかし、

由緒あるホテルがある。

この付近は、みなとみらい地区に比べると、

夜もさっと人が退ける。

それが寂しくもあり、

こちらとしては嬉しいのだが…

通り沿いを歩くと、店数は少ないが、

ポツポツと良い店がある。

ホテルニューグランド内のカフェも、

そのひとつだ。

重厚な石造りの建物に一歩足を踏み入れると、

きらびやかさや派手さはなく、

クラシックホテル内の店にふさわしく、

気品と格調が漂う。

本館(旧館)の入口近くにあるこのカフェは、

椅子もテーブルもゆったりしていて、

窓際の席からは、

山下公園沿いの通りを眺められる。

特に、陽が落ちてからの窓の外は、

明るすぎない街路灯と並木道で、

ぐっとシックな絵となる。

私は、ここへ来ると必ず中庭に出てみる。

歩いて、芝生、石畳、石像と眺める。

どれもが古くも情緒があり、

ゆったりとした気持ちにさせてくれる。

新館ができる前、この本館へは幾度か宿泊したが、

やはりクラシックホテルの名にふさわしく、

部屋のドアの磨き込まれた真鍮製の取っ手や、

ベッド脇のクラシカルなスタンドが印象深い。

ワードローブや調度品も、年代物だ。

エントランスから2階へ上がる階段は広く、

そのラインが優雅なアールを描く。

とりわけ、艶光りする木製の手すりが目を惹く。

足元に敷かれた赤いジュータンも、

踏みしめる毎の感触に、その優雅さが伝わる。

この階段下のすぐ横に、

あの伝説のバー「シーガーディアン」がある。

サザンの歌の歌詞にも出てくる、例の店だ。

私はアルコールをやめたので入らないが、

横を通る度にちらっと店内を見ると、

紳士・淑女とおぼしき方々がカウンターに腰掛け、

くつろいでいるのが見受けられる。

ちょっと、敷居が高い。

戦後、マッカーサーが厚木基地に降り立ち、

ここを常宿としたことは有名らしいが、

私はこの話をつい10年くらい前に知った。

また、皇族をはじめ、イギリスの王室や、

あのチャーリー・チャップリンも、

ここを訪れたという。

いまは日本発のイタリアンレシピの定番である、

ナポリタンスパゲッティやドリアも、

当時のこのホテルの厨房が考案したものと、

あるテレビ番組を観て知った。

私はそうしたことをなにも知らず、

ただこのホテルが好きで足を運んでいたのだが…

歴史的なエピソードが幾重にも重なり、

そのひとつひとつが物語として成立している、

ホテルニューグランド。

クラシックホテルの名に恥じないその趣が、

私だけでなく、

ここを訪れる多くの人たちを魅了するのだろう。

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カッコイイとはなにか?

「カッコイイとは、こういうことさ。」と、

すでに答えがあった。

映画「紅の豚」のキャッチフレーズである。

このコピーは、糸井重里さんの作。

宮崎駿さんの意を汲んで、

このコピーはできたのだろう。

「紅の豚」はまず、

主人公の姿が豚、というのがミソだと思う。

なぜ豚なのか?

そこが曰わく付きなのである。

理由は面倒なので割愛するが、

さすが、カッコイイ豚らしく、

その理由がある。

観ていない人は、そこんとこ、確認してください。

で、この豚の主人公の名はポルコ。

腕に覚えの、賞金稼ぎの飛行機乗りだ。

飛ばない豚は只の豚だ、というだけあって、

この豚、只の豚では当然ない訳である。

舞台は、紺碧のアドリア海。

時代は第一次世界大戦後の混乱期。

どこにも属さない、

フリーの飛行機乗りという設定が、

またカッコイイではないか。

でですね、この主人公ロッソだが、

コイツのやることなすことが、

いちいちキマっている。

台詞も渋いことばかり言いやがって、

ま、例えるなら、

ハードボイルドとでも言おうか。

そんな路線で最後まで突っ走る訳です。

アドリア海一の飛行機乗り。

主人公のポルコは、みんなのスター。

ついでに、オンナによくモテる。

とまあ、ここまで書いてなんとなく思うことは、

この映画は、人は外見ではないですよ、という、

言い古された教えなのか。

だから豚なのである。

すっげぇ分かり易い例え話。

似た例えでは、

ディズニーの「美女と野獣」というところか。

がしかしである。

どちらも実はホントは、

外見もカッコイイ王子様とか、

イケメン飛行機乗りという設定が、

ちょっとひっかかる。

ここ、見逃せません。

ここんとこを、流してはイケナイ。

事情は複雑です。

だから私はこのように思った訳です。

確かに、カッコイイ生き方ってあるのだろうと。

がしかし、やはり外見って外せないのかって。

わざわざ豚にする意味。

そこが分かり易くもあり、

誰もが実は、

本音と建て前の境をさまようのだろうか?

「カッコイイとは、こういうことさ。」と、

もっとさらっと本音から言えると、

人生って誰も平等に面白いハズ、

なんですけれどね!

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夜更けのハンバーガー

金曜日の夜は、

なんというか、嵐が去った後のように、

疲れてぐったりしている訳で、

ああ腹が減ったな、なんてだらっとしていたのである。

が、奥さんが「足の指がちょっと変なの」とのたまった。

「えっ?」

見ると、右足の親指が紫色に変色して、

パンパンに腫れ上がっているではないか?

どす黒い付け根あたりに、とても嫌な感じが漂う。

「どこか、ぶつけた?」

「それが痛くないし、ぶつけた覚えもないのよ」

あーん?

ネットで調べると、通風とかアレコレ出てくるが、

どうも症状が合致しない。

しょうがないので、市内の整形外科とかを調べるも、

どこもすでに閉まっている時間。

休日診療を調べて駆け込むも、当番の先生が内科医なので、

同じ市内で臨時で常駐している整形外科医を紹介してもらった。

暗い待合室。静まりかえった総合病院。

じっと待たされる。

「あーーっ、腹減った」

「あなたはどこかでなんか食べてきて。きっと時間がかかると思う」

「じゃ、終わったら連絡くれ」

クソ寒い日だった。

夜の街を歩き出すも、まるでウキウキしない。

居酒屋でみんながワイワイやっているのが見える。

暖かそうなコーヒーショップの中が恋しいが、

緊急時を考えて、ヤメとする。

「おっ、ローソンだ」

発作的にハンバーガーと缶コーヒーを買い、

街をうろうろするも、適当な喰う場所がない。

病院からは、そう離れられないしな…

で、思い出したのが、

普段からなんとなく印象の良くないH公園だった。

(あそこしかないな)

通りの横にあるH公園に辿り着くと、

なんだか陰険な気配が漂う。

暗いベンチに座ると、ヒェーとなるほどケツが冷たい。

それでも、まわりにポツポツ人が座っているが、

そんなのはどうでもよいのだ。

とにかく腹ペコ!

ハンバーガーにむしゃぶりついていると、

少しづつだがしあわせ感が蘇ってきた。

冷蔵ハンバーガー、温めてもらえば良かったな、

なんていう余裕も出てきたのである。

一息吐く頃、ようやくあたりの気配に気がつく。

と、通りを行き交う人たちが、

私のほうをちらっと見て通り過ぎていくんだな。

粋がった兄ちゃんのグループが、こっちをガン見したあと、

そっぽを向いた。

こんな時間にこんなところでなんかむしゃむしゃ喰っている奴には、

かかわりたくはないね。

そういう感じ。

よく見ると、私の前に、浮浪者とおぼしき同世代のオヤジが、

新聞と雑誌をベンチに積み上げ、

それらを丁寧に眺めている。

いや、読んでいる?

(こんな暗いところで読める訳ないだろ)

内心つぶやいてみたものの、ひょっとすると?

そう、このオヤジは極寒をものともせず、

着ているものはぼろぼろだが悠然とした風体。

姿勢も良い。

なんと、暗がりで優雅にモノを読む能力を備えていたのである。

(うーむ、やるな!)

オヤジがこっちをチラ見して、ちょっとニカッとした。

私を新参者と思ったのか?

腹も満たされ、カラダも暖まった。

まだ連絡がこない。

しょうがないので、タバコを吹かしてベンチでダランとしていると、

今度は妙な開放感が湧き上がってきた。

公園の薄暗い街灯が、いい感じだな、とか、

どこでもリラックスできるっていいなとか、

缶コーヒーって割とうまいなとか、

道行くおっさんたちを眺めていると、

なんだかあのグループってみんな無理してるな、

とかね。

結局、この日の夕飯は、冷えたハンバーガーと缶コーヒー。

奥さんの診断はたいしたことないということで、

塗り薬を頂いた。

後日、奥さんの足の指の腫れもウソのように治った。

あれから私は、なんだかナマぬるい、

そして金のかかるアウトドア生活なんかではなく、

もっと新しい、

自由奔放なライフスタイルというものに憧れているのだが、

そんな話を奥さんにしたら、

ウチはいつでもなれるわよと言われた。

意味深ではある。

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極狭回転寿司屋

確か、新宿御苑あたりだったと思う。

打合せの前に腹ごしらえでもしようと、

「寿司」ののれんだけ見て飛び込んでしまった。

と、店内が驚くほどの極狭で、客の入りは九分ほどか。

空いてる席をみつけたのはいいが、なんせ店内が狭くて、

「スイマセン」と壁に這いつくばりながら、

やっと席へと辿り着く。

でだ、ひと息ついて顔を上げると、

前の人との距離がやたらと近い。

居酒屋で知った同士がワイワイやるより、

若干離れている程度。

で、シラーっとしている訳ですね。

黙々と食っている人もいれば、

空中のどこかっていうんですか、

茶をすすりながら、

焦点が定まらない目つきの人が多い。

板さん寡黙。

ミュージックなし。

ため息とか、シッシッーとか、たまに聞こえる。

家庭用、いやパーティー用にでも重宝しそうな、

寿司を運ぶ超小型ベルトが、

始終カタカタと回っている音だけが、

狭い店内に響いている。

喰っていて、どうも落ち着かない。

なんだか音とか視線とかが、やたら気になる。

妙な緊張感でした。

人ってそれぞれパーソナルスペースとかいうものがあって、

おのおの、その距離が違うらしい。

もちろん、親しい仲であればその距離も縮まるが、

見ず知らずの他人との距離が近くても平気な人もいれば、

極端に遠い人もいる訳で、

その距離より中へ入ると、人って緊張する。

いわば警戒心ですね。

私は、このパーソナルスペースが大きいと自覚しているので、

例えばエレベーターなんかで満員だと、

ちょっと疲れたりしてしまう。

だから、知らないのに妙に馴れ馴れしい、

無神経な距離感の人、

こういうのは苦手です。

パーソナルスペースは、私が思うに、

どうも野生動物の観察から分かったものじゃないかと推測する。

彼らは、パーソナルスペースに他者が入ると威嚇したり、

また、弱い動物の場合は、即逃げ出すでしょ。

まあ、生きるための本能です。

しかし、都会人がこんな具合だと生活もしていけないので、

皆、無理して、

パーソナルスペースをぐっと縮めているように思う。

これが都市で生きる知恵でもあり、

都会人に欠かせない資質のひとつなんじゃないでしょうか。

あるとき私は、自分の前世というのを観てもらったことがあるが、

私の前世はアメリカインディアンの酋長だったらしい 笑

どうりで、広々としたところでやたらに落ち着くのか、

合点がいった。

でですね、

もう一度、あの極狭回転寿司屋に挑戦してみようかなと思っている。

今度は、満席時を狙ってあえて空気を読まずに、

独りごとのようにギャグを呟くというもの、

なんですが…

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彼女のロミオ

イタリアの北の町、ヴェローナへ行ったことがある。

中世の美しい街並みと石畳が印象に残る静かな町で、

中央に大きな河が横たわる。

河沿いの道をしばらく歩いて一歩横へ入ると、

シェイクスピア作の戯曲「ロメオとジュリエット」の舞台となった、

古めかしい建物が建っている。

意外とこぢんまりとした建物だったので、ちょっと驚いた。

庭には、ジュリエットの銅像が佇んでいる。

私は、他の目的でこの町へ来たので、

ここの事を友人から聞いて初めて知った。

皆がジュリエット像のふくらんだ胸をやたらに触るらしく、

そこだけやけに艶があって光っていたのを覚えている。

私は友人の付き合いできたので、

目的もなく、ただ町をぷらぷらしているだけだった。

いつしか暗くなってくると、アルプスから舞い降りてくるという粉雪が、

横から吹き上がってきて躰を冷やし始めた。

あまりに寒い。

私はコーヒースタンドに入って、エスプレッソで暖まることにした。

そこで思い出したのがオリビア・ハッセーがジュリエット役を演じた、

映画「ロミオとジュリエット」だった。

この人は、ただ可愛いだけでなく、美しさも兼ね備えた、

希有な女優さんだ。

いつ頃だったか、オリビア・ハッセーは布施明と結婚したが、

なんだかいつの間にか別れてしまった。

こうした話題自体、私は興ざめしたのだが…

最近になって、この一連の話を奥さんに話したら、

彼女も「ロミオとジュリエット」は印象深いらしく、

中学のときにこの映画を観に行った話をしてくれた。

曰く、あの感動はいまも忘れられない、という。

そうか、そういうもんかなと…

やはり奥さんも当時は好きな人がいて、

やがて付き合うこととなったが、

ご両親の猛反対で、頓挫しかけたことも…

で、最後は家出を決行したこともあるというから、

かなり情熱的。

ふーん。

で、家出は彼氏の説得で未遂に終わったが、

相手の彼氏も罪ではある。

ご両親の猛反対の理由は、映画と全く同じとはいかないが、

少し似通っていた。

家柄が合わないのがまずひとつ。

いや、映画では家同士の争いだったか?

まあいい。

そして、もうひとつの理由が、相手が不良だった、

ということらしい。

へぇ、それはしょうがないな、

と私が笑う。

「そうね、この年になると親の気持ちが痛いほど分かるわ」

と奥さん。

この人にとっては、その当時の彼が、

まさしくロミオだったと言うのだろうか。

ほぉ、思い出したよ、

それって、ほぼ俺のことじゃないのか?

「そういうことになるのかしら…」

……………

人は一生に一度くらい主役になれる!

※手前味噌なオチでスイマセン!

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夢中さ君に

同窓会

数年前、幼なじみから同窓会をやろうと言われた。

その後、他の友人からも同様の頼まれ事を受けた。

で、話を聞いていると、幹事はどうも私ということらしい。

うーん、なんで?

理由は、ワルにも真面目組にも女の子にも顔が利くから、

ということ。

で、そのまま放っておいて、数年後、

別の友人にその話をしたら、

「行かないね!」と。

でですね、最近またまた別の幼なじみに、

同様の話を持ちかけたら、やはりアッサリ断られた。

うーん、なんで?

いい思い出ないし、いや、そもそも記憶がないから…

うーむ、この年になると、

同窓会ひとつひらくのも難しいな!

夢中さ君に

大学ではなく、中学校はキャンパスとは言わないな。

で、その子は、運動場でまぶし過ぎた。

体育祭の日、400メートルリレーの選手として出場。

スリムな体にバトンを握りしめて、

先行く女子をアッと抜き去った。

カモシカのような脚。

ボーイッシュなヘアが揺れていた。

彼女に夢中になってから、僕のキャンパスライフは輝いた。

僕は水泳部。

3年のときの水泳大会は、絶対に負けられないと思った。

で、タッチの差でギリギリ一位にはなれたが、

彼女がこのシーンを見てくれていたのかどうか、

それがいまもって不明のまま。

最近、このことがいちいち気になるな。

悔いのない人生

終活が人気らしい。

終活とは、年喰って身の回りを片付けたり、

お墓を準備したり遺言を書いたりして、

いざというときのため、身ぎれいにしておくこと、

らしい。

備えあれば憂いなしということか。

入念な準備はよいこと。

と、そんな内容のニュースを観ていたら、

なんだか他人事のような気がせず、

悲しくなってきた。

「悔いのないようにしたい」と、

棺桶に入る体験をした年輩の方が笑いながら話す。

が、しかしこれを観ていて、うむと思った。

生きているとは、悔いることに他ならないんじゃないか?

悔いのない人生なんてね、

ないんだから、とね。

冬散歩

写真 4

写真 3

お久しぶりです。

景色評論家の冬景色宗介です。

今回は、冬らしい景色というテーマで、

写真を載せました。

皆さんもご存知のとおり、

いや、知らない方もいらっしゃいますが、

私は雪国暮らしではないので、銀色の風景とか、

そういうものは、今回はないです。

身近に撮ったものですので、神奈川オンリー。

簡単に撮影を済ませ、なお良いショットを撮る!

これが、セコイ景色評論家のですね。

今回は、湘南と少し奥まった山間部を狙い、

パシャといきました。

こうした景色は、四季を通して撮ることができます。

が、なんというか、冬はキーンというか、

空気感がちょっと違いますね。

冷たさは、画面に緊張をもたらします。

また、葉の落ちた木々や、危うい空の色でも、

冬らしさは際立ちます。

写真 1

さて、今年の冬は寒いので、

私はヒートテックのアンダーシャツを買いました。

ラクダのシャツも良いのですが、

高いしダサいし…

で、風呂場に簡易ミストを設置。

入浴3分前にONにすると、

おやっ、風呂場がほんわり暖かい。

いいですよー。

で、寝床には、湯たんぽですね。

最近の湯たんぽはプラスチック製なのに、

保温力が高く、朝まで冷めません。

皆さんもお試しあれ!

では、冬景色でした。

君に捧げるサンバ

年またぎ案件

12月決算としている弊社は、

毎年、年末になるとバタバタとしているので、

常々決算月を変えようと思ってはいたが、

もう己の変革のなさを諦めた。

で、年またぎ案件が10案件ともなると、

売り掛けも多く、処理の仕方も難しい。

双方の見解の相違もあるし、

決算書も見栄えが必要だし…

が、なにより正月にふっと思い出すのが、

この年またぎ案件。

興ざめだ。

陽のあたる暖かい部屋にスッと入ってくる隙間風のように、

ゾッとくるから、きっと心底休んではいなかったのだろう。

君に捧げるサンバ

久しぶりにサンタナを聴いたが、

やはり彼のギターはいいなぁ。

花をあげるのもロマンチックだし、

チョコをプレゼントするのも、

なんだかほのぼのとしている。

が、君にうたをあげるって、

なんてカッコイイのだろう。

サンタナは、アメリカのラテンロックバンド。

日本ではブラックマジックウーマンで有名だ。

独自の道を拓いたバンドだが、

そのやさしい音色という点では、

この曲が一番!

短歌

年初に短歌の本を購入。

以前から気になっていた俵万智さん。

サラダ記念日しか知らないが、

あの方って、実はかなり凄い人でした。

ずっと短歌の人である。

いろいろ難しいことも書いてある。

が、句を詠んでいると、なるほどと…

どれも味わいがあって奥が深い。

俳句は五七五だが、

短歌は五七五七七。

うーん、コピーとまた違った制約が。

で、私も一句。

年賀一枚

お元気ですか?の

走り書きに

今年こそ会おうと

心動いて

●君に捧げるサンバ

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良いお年を!

住まいの価値

住まいって棲み処、ですよね?

新築、中古、

大きい家、こぢんまりとした家。

マンション、長屋とかいろいろありますが、

誰と話しても、駅近。

これしか言わない。

この物差しでしか、住まいの価値を語らない。

通勤、通学、そして買い物でしょ。

私の場合は、まず景色。そして自然の眺望。

できたら、海の幸と山の幸が同時に味わえるような場所に、

居を構えたいって考えています。

ズレていることは重々承知の上なんです。

また、賑やかな所に住みたいっていう人もいますね?

私は、夜になるとシーンとした所が好みです。

あと、平坦な所にしか住まない友人がいますが、

聞くと楽だから、自転車が使えるからと。

確かにそうですね?

私はですね、山の中腹あたりが好みです。

で、金があったらログハウスを建てたいと思っています。

畑があれば、なお結構。

週に何回か下へ降りていって、漁師さんと物々交換。

こんな生活を夢見ています。

で、お前さ、どうやって喰ってゆくのよ?

との突っ込みが入るのは分かっております。

いまそれを思案中なんですがね。

アップルの質問

先日、気に入ったアプリがあったので、APPで買おうとしたら、

妙な質問がかえってきまして参りました。

IDとパスワードはキッチリ分かっていますが、

突然、あなたの中学校時代の親友は?

とくる訳です。

続いて、あなたの育った場所は?

うーん、親友の名を入れたのですが、

それがフルネームなのか、○○君なのか、

あだ名なのかすっかり忘れてしまい、アウト!

育った場所も県名なのか市なのか町名なのか…

最初の登録時にメモし忘れた私の不手際なのですが、

これって復帰にかなりの手間がかかるそうで、

結構憂鬱です。

それにしてもやるなぁ、アップル。

休みになると…

盆とか正月とかの休みに入ると、

必ず私は不調になります。

疲れがどっと出るのか、気を抜きすぎるのかは、

はなはだ不明なのですが、

歯がうずいたり、原因不明の頭痛に悩まされたり、

普段の耳鳴りが更に悪化したりと、ホント困っています。

ちなみに今日は頭痛ですが、

ブログを書いていたら少しづつ治ってきました。

一昔前の事ですが、

金曜の夜、仕事場からグアムやスキー場へ行って、

そのまま遊びまくって、月曜の早朝に職場へ直行、

なんていう人が結構いましたが、

凄いというか、さぞ楽な仕事をしているのかな、

なんて皮肉のひとつも言ってやりたいと思いましたね?

いま、そんな楽な職場ってありません(キッパリ!)

ザ・タイガース

ウチの奥さんは、大のタイガースファンでして、

それも野球のタイガースではなく、

グループサウンズのザ・タイガース。

ジュリーのいるアレです。

最近、年配の間でタイガースが再び盛り上がっています。

今年は、都合で行かせてあげられませんでしたが、

一応ヤフオクをチェックすると、2万円位の値がついていました。

NHKの紅白でもタイガースにオファーを出したそうなのですが、

断られたそうです。

ふーん。

沢田研二の太りすぎが原因か?

そういえば、テレビのコマーシャルを観ていて思うのですが、

往年のヒット曲がかなり使われていますね。

ここ数年リバイバルブームです。

というか、新曲が全然売れないそうです。

今夜は紅白ですが、観るかどうかって、

どうでもいいようなものになってしまいました。

私としては、拓郎でも聴いていたい気分なのですが…

では皆さん、良いお年を!

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